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旅たび倶楽部 第22回部録

2014.08.06.10:23

都電荒川線沿線、水の史跡散歩

2014年7月27日(日) 晴れ、一時雷雨

 夏の街歩き、近場で涼しげな場所を、ということで早稲田界隈をスタートに都電荒川線沿線の、緑豊かな、水に因んだ場所を選んだ。長歩きはせず、いずれも駅徒歩圏、1回の歩行区間が10分を超えないことを目途とした。

参加者: 弓 裕美、岩瀬 翠、野崎芳信、飯降昌吾、柳沢道生

集合写真: 旧徳川御三卿清水家庭園・甘泉園公園にて

b0727-0 甘泉園集合

1.早稲田大学
 11時に高田馬場駅集合、駅前のバス停で都バス早大正門行に乗車。この系統・学02はいわゆる学バスで運賃はICカードなら165円。とは言え、ほぼ満席の車内は殆ど近隣住民のようだ。日曜日で学校が休みだからだろうか。
 5~6分で終点の早大正門前に着く。冷房の効いた車内から出ると、暑い。明後日が土用の丑の日、それらしい天候だ。目の前に大隈講堂がそびえている。大正15年(1926)着工、翌年竣工した。国の重文に指定されている。
 大隈講堂の北側、大隈庭園に。今日は日曜なので園内には入れないが、カフェテリアに続く並木道で小休止しながら庭園を望む。木陰を通る風が爽やかだ。

b0727-1 早大
           早稲田大学大隈記念講堂                       早稲田大学構内、大隈庭園を望む

2.水神社~椿山荘
 大隈会館西側の道を北に歩けば、すぐに新目白通りに出る。右手にはリーガロイヤルホテル。信号を渡り、路地を歩けば数分で神田川に出る。橋を渡ると行く手、緑の斜面に小さな神社・水神社がある。神田上水開削時、近くに設けられた関口水門の守護神として建立された。岩瀬さんが、かつて早大生グループが地域ネコ保護活動をしていたエピソードを話してくれた。鳥居下のプレートを見れば、その活動は今も続いているようだ。
 水神社から神田川沿いに歩く。関口芭蕉庵の表門を過ぎればすぐに椿山荘入口がある。江戸時代には椿山と呼ばれた椿の自生地だったという。久留米藩の下屋敷が置かれ、明治時代に作庭が趣味であった山縣有朋の邸宅となり、趣向を凝らした庭園が整備された。まずは腹ごしらえ、というよりクールな環境に身を置きたい。邸内の小高い位置にある蕎麦処・無茶庵へ。しばし待って、それぞれお気に入りの蕎麦をいただく。私は冷やしとろろをチョイス。
 昼食を終え邸内を散策。椿山荘のシンボルとも言ってよい三重塔・圓通閣へ。山縣の趣味かと思っていたが、案内板を見れば彼の没後、邸宅が藤田男爵に売却された後の大正14年(1925)に、広島県竹林寺から移築されたとのこと。国の登録文化財である。三重塔の裏手に古井戸があり、こんこんと水が湧いている。石の丸型大水鉢、かつて京から山科に続く日ノ関峠にあり、旅人の喉を潤していたという。急な斜面を下りると本館、その左側に五丈滝があり、流水が 幽翠池に注いでいる。結婚式場などの施設として使われており、管理上の問題もあるのだろう、現代的に整備されているが、涼味を感ずる風景である。
 池に沿った小路を歩き、風鈴が飾られた木陰の道へ。されに進めば茅葺きの茶室・長松亭。茶人としても著名であった松永安左衛門の設計で、その名字に因んで命名したという。

b0727-2 水神社-蕎麦 
          神田川河畔、水神社社殿                          椿山荘、蕎麦処・無茶庵 冷しとろろ蕎麦


b0727-3 椿山荘n
           椿山荘、三重塔・圓通閣                           椿山荘、丸型大水鉢

3.関口芭蕉庵~新江戸川公園
 椿山荘から神田川沿いの道を戻る。水神社の脇、胸突坂という石段があり、関口芭蕉庵の入口がある。松尾芭蕉の主筋、藤堂家が神田上水開削工事の幕命をうけたたとき、芭蕉は現場監督の任にあたり、延宝5~7年(1677-80)当地に住んだ。それを記念して当地に建てられた龍隠庵が、この庵の始まりである。邸内には野趣に富んだ古池のある庭があり、芭蕉の句碑が立っている。
 水神社の西側は、新江戸川公園である。神田川の北側にコンクリート造の塀が連なる。水神社の近くに入口があればといつも思う。塀に沿って5分ほど歩くと、ようやく入口に着く。炎天下では結構つらい。入口で初老のご夫婦に最寄駅までの道を尋ねられる。台湾の方だろうか。東京メトロ・江戸川橋駅を思い浮かべるが、かなりの距離だ。幸い手元に予備の地図があったので、それをお渡しし、都電・早稲田駅までの道を説明した。
 新江戸川公園、神田川沿いの江戸川公園の続編みたいなネーミングだが、元は熊本藩細川家の下屋敷、典型的な大名庭園・回遊式泉水庭園である。桜の季節は神田川沿いに、延々と続く桜並木と対象的に、水面に映える桜が美しい。今は池の周りにただ緑が広がっている。

b0727-4 芭蕉庵-新江戸川公園n 
               関口芭蕉庵、入口                          旧細川家庭園、新江戸川公園

4.甘泉園公園
 神田川沿いの遊歩道をさらに西に歩く。途中で工事箇所があり、迂回路を歩く。東京染め物語博物館前で1時半に飯降さんと合流予定。若干時間に余裕があり、迂回路途中にあったコンビニでクールダウンと時間調整。
 予定の時間に博物館前に着くと、向こうから飯降りさんが歩いてきた。ジャストタイム、ただし博物館は本日休館。新目白通りに出て、甘泉園公園に向かう。徳川御三卿の一、清水家屋敷の庭園であった。ここも大名庭園・回遊式泉水庭園である。細川家庭園に比べ、規模こそ小振りだが、池が上下二段に配され、飛び石で渡れる造りなど、繊細かつ格調の高さが窺える。園名の由来となった、茶の湯に適した湧水も、昔の姿で残されている。園内を一巡りし、集合写真を撮る。

b0727-5 甘泉園n
        甘泉園公園 上の池と下の池の間の飛び石               甘泉園公園 園名の由来となった湧水

5.雑司ヶ谷鬼子母神
 甘泉園公園から新目白通りに出て、東に1ブロック歩くと都電早稲田駅に着く。停車中の電車に乗り、運転士に「一日券」と言ってICカードを読取機に乗せると、400円で都電が一日乗り放題になる。電車が動きだし、新目白通りの中央を走る。面影橋の先から専用軌道となり2つ目の電停、鬼子母神前で下車。
 午後の日差しが強い。どこかで涼もうか、と見渡すと嬉しや、「氷」の旗が目に入る。「ひなの郷」という店、メインは鯛焼きのようだ。カウンターと小上がりに分かれてまったりする。メニューは氷アズキか氷メロン。全員、氷アズキを注文した。鯛焼きの具材でもあるのだろう、上等な餡子だ、旨い。
 店を出れば、鬼子母神参道の入口。鬱蒼とした並木が続く。やがて右側に雑司ヶ谷案内所、店を覗けば郷土玩具のススキミミズクが並んでいた。参道の端を左折すると、鬼子母神の境内。一際大きな公孫樹は樹齢六百年超、都の天然記念物。お参りし境内を散策。今夕の催しだろう、盆踊りのヤグラが組まれていた。
 鬼子母神のもう一つの楽しみ、創業約230年・都内最古の駄菓子屋といわれる上川口屋へ。何か一品を、と買った黄粉飴は税込33円であった。

b0727-6 ひなの郷
          鬼子母神前 ひなの郷、店頭                 ひなの郷、氷アズキ 撮影前に思わず半分食べてしまった

b0727-7 鬼子母神n
     鬼子母神本堂 「鬼」の字には「ノ」が付かない             鬼子母神境内、都内最古の駄菓子屋・上川口屋

6.大鳥神社~七曲り
 鬼子母神から参道へ曲がらず、東に直進すれば、すぐに左手に神社が見えてくる。室町時代の文献にも出てくるという大鳥神社だ。境内から陽気な音楽が聞こえてくる。行ってみれば、生演奏でのフラメンコダンス。観客は殆どいない。リハーサルだろう。さっきの鬼子母神の盆踊りと連携した催しかも知れない。社殿にお参りし、振り返れば鳥居の先に都電が走っている。結構シュールな光景だ。
 鳥居前の小踏切の先に路地がある。通称、七曲りという。いかにも昭和の雰囲気が残っている。2つ目の角を曲がった先に、昔ながらの手押しポンプ井戸がある。試みに動かしてみると水が出た。現役である。傍らには「七曲りの水」と刻された立派な銅のプレート。そこから、角を一つずつ確かめつつ、「7つ」で参道入口、ひなの郷の近くに出た。

b0727-8 大鳥神社-七曲り
       大鳥神社境内、フラメンコのリハーサル                    七曲り、現役の手押しポンプ井戸

7.庚申塚
 鬼子母神電停から三ノ輪橋行都電に乗り10分余、庚申塚電停で下車。徒歩0分、ホームに入口が隣接したいっぷく亭に入る。都電が大塚駅前を過ぎた頃から、ポツリポツリと雨模様。とりあえず店内にでめいめい甘味類を頼む。私はコーヒーフロート、久しぶりに味わう夏のテイスト。
 巣鴨地蔵通り北端に位置しており、お参りらしき家族連れ。さすがに盛夏、普段よく見る前期高令女子グループは見当たらない。コーヒーフロートが出てきた頃、雷鳴が轟いた。雨脚も強くなる。午後から落雷注意の天気予報、当たり。そこで衆議、元々の予定では王子界隈を巡るはずであったが、ここで切り上げ、開いている店のありそううな大塚駅前あたりで早めの打ち上げにしよう。
 雷鳴もおさまり、雨も小振りになった。店を出て徒歩スグの庚申堂へむかう。猿田彦を祀ったお堂に参拝し、庚申塚電停、早稲田方面行ホームに。

b0727-9 いっぷく亭-庚申堂
         庚申塚電停、いっぷく亭 コーヒーフロート                   猿田彦を祀る庚申堂

8.大塚駅前
 庚申塚の次の電停は巣鴨新田。ここからかなりの急坂を下れば大塚駅前である。山手線ガード下の電停で下りる。
 時刻は4時過ぎ、大塚駅南口の路地に行ってみれば何軒かの居酒屋がすでにオープン。店の品定めをしていると、少し先から弓さんが手招き。ついて行くと路地裏に「上海烤鶏小閣樓」の看板、いい雰囲気だ。すでに開店しているという。店内に入れば半地下の部屋、赤い照明のもと年代物の扇風機が首を振る。陽気な女将は予想に違わず、中国の人。店には中国語で会話する母娘が一組。
 飲み物は定番の老酒ロック。墨黒々と1ページに一品書かれたメニューがいい。前菜に始まり、棒餃子、メインの炙り鶏・上海烤鶏、トマトスープの冷麺、お麩料理、上海焼きそばなど、ユニークな味だがどれもストライク。今まで味わった店の中でもトップクラス。こんな店に出会えるのも、街歩きの醍醐味だ。

b0727-10 小閣楼
        大塚駅前 上海烤鶏小閣樓、店頭                     上海烤鶏小閣樓、主役の上海烤鶏


所感
 今年の夏は西日本と東北の観測史上初の降雨量、関東の記録的な暑さ、そしてゲリラ豪雨・落雷。というパターンが続いた。ときには、局地的に雹が降ったり、竜巻が発生したりした。天候さえ安定していれば、高地散策という選択肢もあったろうが、田舎道で豪雨・雷雨に遭遇などは、目もあてられない。都会の涼所に絞り、簡単に変更可能なコースを考えた。
 当日の予報も日中は晴れ、午後は雷雨のおそれであった。それが当たり、急遽予定を変更した。そのお蔭で思わぬ名店の味を堪能できたのは、上記の通りだ。久方ぶりでフルメンバーの揃った散策、结果好就一切都好…終わりよければ全てよし、である。                     (幹事・柳沢記)
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